ここはそんな危険箇所とはどこにも書いていなかった。
が、人気が少ないのでまた私の中の注意信号がまた点滅する。。
しかしそのはずである。どうもパリのなかでは少々地味なスポットのようだ。
駅を降りて少し歩くと「Musee Gustave Moreau」と描かれた白い旗と青白赤のフランス国旗が
さりげなくはためいている建物がある。
ここがモローの美術館だ。
1898年の彼の死去に際し、自宅建物とその中に含む一切を、
美術館設立の為に遺贈して作られたそうだ。
ここには生前彼がコレクションした絵画や小物、ちょっとした家具などを置いてある部屋もあった。
その中には、日本の美人画もあったりして、やっぱり当時のパリの画家たちの間では、
ジャポネーゼはイカした趣向のシンボル的位置にあったのかなと思った。
もともとモローがここに移り住んだとき建てたこの建物は、ゆくゆくは美術館にするため、
大きな展示室も設けられたとのこと。
実際、その展示室に、結構な数の大作と夥しい数の習作やデッサンがところ狭しと展示されていた。
そしてその中には、有名な「出現」もあった。
あまりギリシャ神話に馴染みはなかったが、日本語の解説書があったので、
それを手がかりに見ていくと、とてもおもしろかった。
《解説書、、英語、仏語、日本語の三種類しかない。(ルーブルとか解説の言語はすごい選べるのに)
日本では60年代から企画展で紹介されることがちょこちょことあった為に結構知られているが、
世界的に有名になるのは80年代後半かららしい。来場者数の少なさからも納得である。》
それにしてもモローの「描き込み」と「抜き」の強弱のバランスは絶妙だ。
中には描きかけのものも多くあるらしいが、それも分からないくらい。
「出現」の絵の背景なんて、あいまいな色と線だけでバックの石彫部分は描かれている。
せっかく来たのでモローについて色々書かれた本を一冊購入。
「メルシーオウヴァー」と笑顔でさよならを言い、美術館を後にした。
総じて、ここは、雰囲気たっぷりの、とてもゆったりとした静かないい美術館だった。
(観客もほどほどに少ない)
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この4日間、警戒レベルを10にして歩き回った。
とりあえずミュージアムパスの使える見たいところはだいたい回ったかなと思い、
帰って計算してみる。。
凱旋門の塔に登らなかったので1ユーロマイナスであった。。(夫に細かいと突っ込まれそうだが)
モロー美術館安すぎ、5€。。
でも並ばず入れたのも多かったのでよしとする。
今日も無事アトリエまでたどり着けたことに感謝。
モローのデッサンに触発される。ちょっと焦ってくる。
私もそろそろ描かねば。いつパネルは届くのだろう。
明日から何か描く。